ホウネンエビ



分類:甲殻亜門鰓脚綱無甲目




どんな生き物?
初夏(田植えの頃)から、田んぼなどによく発生します。大きさは2cmぐらいです。もともと色は下の写真のように、透明(白っぽい)ですが、左の写真のように緑色にもなります。(植物性プランクトンを食べて緑になるのでしょうか?)
11対の足を動かし、背中を下にして泳ぎまわっています。


オスとメス
左の写真がオスで下の写真がメスです。違いがわかりますか?
オスには、頭の所に大きな突起があります。
メスは、おなかに卵を抱いています。
漢字で書くと
「豊年蝦」と書きます。ホウネンエビが発生した年は豊作になると言われこの名前がついたという説もあります。
分類について
分類の表記が本によってまちまちなので、「どなたか詳しい方がおられましたら教えて下さい。」とお願いしたところ”あつもりさん”から以下のようなお答えをいただきました。ありがとうございました。

ホウネンエビが属しているグループの名前を大きいほうから横文字で表せば、
Arthropoda: Crustacea: Branchiopoda: Anostraca: Chirocephalidaeとなります。
最後から2つ目は「無甲目」、最後は「ホウネンエビ科」です。
節足動物の分類で問題になるのは、上記の各ランクを界・門・綱・目のどこに置くか、研究者の間でいまだに意見が一致していないことです。したがって、
 Arthropodaは「節足動物門」にすべきか「節足動物上門」にすべきか
 Crustacea は「甲殻動物門」か「甲殻亜門または上綱」か「甲殻綱」か
 Branchiopoda は「鰓脚綱」にすべきか「鰓脚亜綱」にすべきかについて、
人により本により、扱いが異なることがあります。

「甲殻綱ミジンコ亜綱ホウネンエビ目」と「甲殻綱鰓脚亜綱無甲目」とは、まったく同じことを言っていることになります。
これは最近、「難しい分類群名は改めましょう」という風潮が出てきたために生じている混乱です。
とくに目のレベルで、十脚目→エビ目 鱗翅目→チョウ目 食肉目→ネコ目 霊長目→サル目といった言い換えが行われています。魚類や鳥類などでは昔からスズキ目、メダカ目、ツル目、フクロウ目などと普通に使われてきていることもあり、他のグループでもこれを採用して平易な呼び名に改めよう、という動きです。が、まだ全面的に普及というところまではいっていないようです。(抜粋)



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