川と私



 私が生まれ育ったのは、周りを田んぼに囲まれた所です。(ちなみに今の家ではありません)
家の前には、小川(用水路ですが)が流れ、たくさんの生き物がいました。
 田植えの前になると、地区民総出で、その川の掃除をします。上流の方から順番に、数メートルごとに水をせき止め、きれいにしていきます。その時、川の中にいる魚も捕まえて、各自持ち帰るわけですが、私たち子どもも、大人の取った後の魚を捕まえていきます。
 コイ、ヒゴイ、フナ、ナマズ、ザリガニ、ドジョウ等々・・・。時にはウナギもいました。持ち帰った魚は、家で処理をして、その日からのおかずになります。この時期のドジョウ汁が楽しみでした。小さいザリガニも小魚と一緒に煮込んで食べていました。(これを読んでザリガニを食べないでください。寄生虫がいますよ!私も今ではとても食べる気になりません)
 また、ヤゴやタガメ、タイコウチ、ミズカマキリ、ゲンゴロウといった水生昆虫もたくさんいました。
夏には、部屋の窓から、ホタルを見ることもできました。(窓を開けっ放しにしておくと入ってくることも!)
 そして、たまにヌートリアが入り込んで、目の前を泳ぎ過ぎたりして驚かされる事もありました。
 実家から数分の所にお墓があるのですが、ここの横のみぞには、沢ガニの宝庫です。ここで捕まえてよく飼っていました。
 夏休みには母方の実家に行くのですが、ここも山の中で水道がきていない所です。家の前の川から、パイプを引いて水をとっています。きれいでとても冷たい水です。ここにも魚がいるのですが、いとこに連れられて釣りをしました。(いわゆる渓流釣りです)さおを持ってない私は竹の先に糸と針をつけて釣ります。「ちょんがけ」と言っていたのですが、餌をつけずそのまま入れても針に引っかかって釣れます。
 ほとんどドロバエしか釣れないのですが、たまにヒラメが釣れたりすると大喜びしたのを覚えています。(まちがっても海にいるヒラメではないです。岡山県北の方言で、ある魚のことをこう呼びます。岡山県北にはヒラメ料理の店や、ヒラメのつかみ取りをさせてくれるところがあります)
 今では、川魚を食べることもほとんどなくなり、飼うだけにしていますが懐かしい思い出です。


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